脳内261010

■カタルシス
そもそも、の話であるが、私は根本的にカタルシスを体験することを好んでいるのだな、と最近気付いた。
カタルシスとは、何か。
Google検索をすると、「カタルシスとは、心の中に溜まっていた恐怖、悲しみ、怒りといった抑圧された感情を外に吐き出し、精神が浄化される現象や状態のこと」と、一番上に出てくるAIが教えてくれた。
この理解でも概ね間違っていないのだが、別に負の感情だけでなく、正の感情――例えば、希望や幸福が粉々に砕け散るシーンでも私はカタルシスを感じる。
つまり、言い換えれば――貢献欲というワードに倣って言い換えれば――私には「反転欲」がある。

例えば、少年漫画なんかで、傲慢な悪役が主人公に倒されて醜態を晒すシーンなどは、誰でもスカッとするだろう。
その一方で、私はNTR作品も好きである。主人公の幼馴染の清楚系彼女がチャラ男に寝取られると、これもまたゾクゾクとしたカタルシスを感じてしまう。
実生活の話をすれば、私はブラックコーヒーとスイーツを一緒に食べるのが好きだ。
甘味・苦味・甘味・苦味の往復に、私は生の実感を見出す。
逆に言えば、微糖のコーヒーなんかは全然好きじゃない。均一的なものは退屈だ。
また、サウナと水風呂の往復なんかもカタルシスや反転欲に含まれるだろう。

この前に、「NTRを哲学する」というイベントを開催して、その際に「私たちには『世界を維持したい欲望』と『世界を終わらせたい欲望』がある」という話をしたのだが、これも反転欲なのではないだろうか。
突き詰めれば、NTR欲とはセカオワ欲であり、セカオワ欲とは反転欲である。

程度の差はあれど、人間にはある程度、普遍的に反転欲が存在する、と思っているのだが、この反転欲は根源的にどこから来ているのだろうか?
「あるものはある」「そうだからそう」としか言いようがない、ここが行き止まりであり、公理なのだろうか?
ぼんやりとした感覚でしかないが、私にはもう一歩先があるような気がする。
存在論的な……自己矛盾的な……自分が自分であることに耐えられないような……。
そして、それは性的な問題なのである。
個人的な、あるいは神話的な仮説があるのだが、それをここに書くのはあまりにもキモすぎる内容なので、もし気になる方がいれば、リアルで会った時に聞いてください。

■ラーメン二郎
最近、ツイッターでラーメン二郎の京都店が炎上しているのを見かけた。
入店したら、「番号!(番号のところに並べ)」と怒鳴られたらしい。わろた。

たまに私のことを「繊細で虚弱で少食な文学青年」みたいなイメージで捉えている人がいるのだが、私はけっこうラーメン二郎を食べてきたジロリアンである。
最近は全然食べていないが、大学時代は先輩に連れ回されて、かなりの店舗を巡った。
三田本店、目黒、歌舞伎町、品川、小滝橋、新代田、野猿、池袋、亀戸、川崎、府中、松戸、一之江、相模大野、関内、神保町、小岩、ひばりが丘、千住大橋、藤沢、中山、生田、大宮は食った。
コールはいつも「ニンニクスクナメアブラマシ」である。

まあ私の二郎的経歴の話はどうでもよくて、炎上そのものの話に戻ろう。
二郎の京都店が、あるいはラーメン二郎全般が「接客業としてありえない」「二郎のローカルルールはクソ」「なぜ金を払ってまで不快な体験をしなければならないのか」などと叩かれていた。
ここで私は決して二郎を擁護するつもりはないのだが、あの二郎特有の食事体験は、「店主が怖い」「理不尽なルール」という条件があってこそ成立しているのではないか、とも思うのだ。
例えば、「豚山」という二郎系ラーメンを提供する資本系のチェーン店がある。
豚山はけっこうクオリティが高い。正直言って、下位レベルの直系二郎より豚山の方がおいしいと思う。
そして、豚山は接客も丁寧だ。普通のチェーン店と何も変わらない。
理不尽に怒鳴られることもなければ、意味不明なローカルルールが存在することもない。
(「ニンニク入れますか?」というコールは文化として継承されているが、返答方法がカウンターに優しく書いてある)
だが、豚山では、あの二郎特有の食事体験を味わうことができないのだ。
二郎特有のひりつきがない。
二郎は怖い店主に屈服し、意味不明なローカルルールに従い、特有の緊張感の中で食うからこそ、二郎なのである。
これはなんなのだろうか? これ以上の考察ができていないのだが、二郎特有の体験には、二郎特有の理不尽さが必要なのである。アトラクションに近い。
確かに、理不尽に怒鳴ってくる店主には腹が立つが、お化け屋敷のお化けが怖いから撤去してくれだとか、ジェットコースターが高すぎるから低くしてくれだとか言うのも、何か見当違いな気がする。
それとも、私が二郎に屈服した「豚」になっているだけなのだろうか?
この件に関しては、考察を進めていくとともに、他の有識者からの意見を待ちたいものだ。

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