はじめての海釣り入門② -実釣編-

前回:初めての海釣り入門①

それでは、実際に釣りに行こう!

前回の復習も兼ねて、持ち物を確認してみる。

・釣り竿

・リール

・仕掛け(ブラクリ)

・エサ(サバの切り身やアオイソメ)

・はさみ(糸切りに使う)

・クーラーボックス

・氷(空のペットボトルに水を入れて冷凍しておくのが一番安いだろう)

・ライフジャケット

といったところだ。

 

まず、時間と場所の話をしよう。

釣りは基本的に、どんなターゲットであれ、「日の出」と「日の入」が釣れる。すなわち、早朝と夕方だ。

これを釣り用語で「朝まずめ」と「夕まずめ」という。

今回狙う根魚たちは、まずめに活性化+夜行性であるので、夕方・夜・早朝のどこかがいいだろう。

なお、夜に行く場合には、複数人かつライトの用意が望ましい。

 

そして、場所は

① 海釣り公園

② 漁港・防波堤

③ 沖堤防渡船

④ 釣り船

が考えられるが、今回は②の漁港や防波堤を想定しよう。

もちろん、立ち入り禁止の場所や釣り禁止の場所はNGである。

事前に周辺の釣り場はよくリサーチしておこう。

 

それでは、実釣だ。

車やバイクで現地に到着したら、まずは仕掛けの準備をする。

竿にリールを付けて、糸を竿のガイドに通して、糸の先端にブラクリを付ける。

そして、ブラクリにエサを付けよう。

サバの切り身の場合は、先端ギリギリめの所に、皮側から付ける(←これ重要)。

アオイソメの場合は、口(頭)にハリを刺して、横から抜くようにする。

どちらの場合にも、針の先端がしっかり外に出ていることが重要だ。

 

そして、堤防の繋ぎ目や、テトラポッドの隙間にブラクリを落とす。

基本的に一番底まで落とすようにしよう。途中で何かに突っかかることも多いと思うが、竿を揺らせば更に下に落ちていく。

落としてみて、15秒ほど経っても何も反応が無いのならば、おそらくその穴には何もいない(根魚は結構アホなので、目の前にエサが来たらすぐ食べる)。

仕掛けを回収して、次の穴を探そう。

穴釣りは足を使ってサーチしていくタイプの釣りなのだ。

 

そして、アタリがあれば、竿がビビビッ、ビビビッっと反応する。

勢いよく竿を立てる必要はない。

基本的に根魚は「向こう合わせ(魚が勝手に口に掛けてくれる)」なので、落ち着いて軽く竿を立てれば充分だ。

ヒットしたら、糸を巻き上げる。

特にテクニックなどは必要なく、基本的にズルズルっと持ち上がるはずだ。

しかし、たまに魚が対抗して「根に潜る」ことがある。

これは岩やテトラポットの隙間に入り込んだり、エラを張って対抗することだ。

根に潜ってしまったら、数秒間待ってみるのがいい。そうすると、向こうから出てきてくれたりする。

無理に引っ張ると針が抜けたり、糸が切れてしまうこともあるので気をつけよう。

根潜りを防ぐ為には、遊ばずにスムーズに巻き取ること。これが重要だ。

 

こうして、無事に釣り上げたら穴釣りデビュー完了だ。

大半はカサゴが釣れるのではないかと思う。

釣れたカサゴはビニールに入れて、氷入りのクーラーボックスの中に入れておけばよい(通称:氷締め)

更においしく食べたい人は、エラの後ろにナイフ(またはキッチンバサミ)を刺して、バケツで血抜きをするとよいだろう。血が抜けたら、クーラーボックスに入れればOKだ。

 

また、一度釣れた穴でも、もう一度別の魚が釣れることもある。

住み心地のいい穴は、”マンション”になっていることがよくあるからだ。

とにかく、安全だけには気をつけて、どんどんサーチ&フィッシングである!

 

〈コラム〉
テトラポッドに落ちても死ぬが、毒魚に刺されるのもなかなかにヤバイ!
穴釣りでは、以下のゴンズイとハオコゼに気をつけよう。
ゴンズイは小さなナマズみたいなやつ。
ハオコゼはカサゴと似ているが、カサゴがイャンクックだとしたら、ハオコゼはイャンガルルガとでもいうようなヤバイオーラを放っている。
ちなみに、ゴンズイやハオコゼの毒(タンパク質毒)は熱に弱い為、45〜50度程度のお湯で患部を温めると痛みが引くという。
更に言えば、ゴンズイやハオコゼは熱で無毒化すれば食べられるということでもあり、かなりおいしいらしい。
ちなみに、フグ系の毒は熱じゃ消えないので注意を!
ゴンズイ(左)、ハオコゼ(右)

 

〈コラム〉
穴釣りのメインターゲットのカサゴだが、その仲間には毒を持つものが多い。
オニカサゴ、ミノカサゴ、イズカサゴ、ハオコゼ……。
しかし、一般的なカサゴにも微微微微妙に毒があるらしい。
確かに、僕は素手でガンガンカサゴを触るが微微微微々にシビれるような気がする。
そんなに気にすることではないが、念の為に記載しておいた。
ぜひ、カサゴを触った方は感想を教えてほしい。

 

〈コラム〉
どんどん釣ろうと言ったが、小さい根魚はぜひリリースしよう。
具体的には15cm以下である。
アジなどの回遊魚は釣りまくっても遠い地で繁殖するが、居着いて成長するタイプの魚である根魚は、乱獲するとその釣り場から絶滅してしまうのだ。
別に地球の為とか、環境の為とか綺麗事を言うつもりはないが、「また釣りてーなー」と思ったら小物は逃してやるのが、全員にとってのプラスに繋がるのではないだろうか。

 

それでは、釣りを終えたら持って帰ってきた根魚を調理しよう。

参考までに、以下の写真は僕が最近釣ったものだ。

(つまり、ただの自慢である。一番デカいやつは25cmもあってビビったっ)

さばき方は「さばけるチャンネル」を見ながら習得しよう(釣り人あるある)。

このBGM聴きすぎて、もはや聴くだけでなんだか笑ってしまう。

笠子(かさご)のさばき方 – How to filet Japanese Stingfish -|日本さばけるプロジェクト(海と日本プロジェクト)

 

おすすめ料理方法

 

・刺身

白身最高である。コリコリ。薄めに切った方がうまいかも。皮を引くのめんどくさい人は隠し包丁+バーナー炙りで食べやすくなる。

(ちなみに、根魚にアニサキス(寄生虫)はほぼいないとされている。僕も当たったことはない)

 

・からあげ

カサゴって言えば「からあげ」って言われるほど有名なんだが、僕は正直あんまりである。味は最高なのだが小骨が気になってしまって……。やるなら丸ごとからあげじゃなくて、三枚下ろしにしたやつを揚げるかな。

 

・塩焼き

塩焼きはうまい! 鱗と内臓を取ったら、そのまま塩をゴリゴリかけて焼く。間違いないやつ。

 

・煮付け

煮付けもうまいね。これも丸ごと酒みりんしょうゆ砂糖水しょうがでOK。

 

・カサゴのユッケ

正直あんまり教えたくないやつだ。刺身を縦長に切って、コチュジャンごま油にんにく卵黄で混ぜて食う。うますぎる。

 

・味噌汁

頭と三枚下ろしの中骨部分を鍋に集める。そうしたら、多めに沸騰させたお湯を満遍なくかけて、一度捨てる。

軽く洗ったあと、具材がひたひたになるぐらいに水を入れて火にかけ、沸いてきたら灰汁を取る。

充分綺麗になったら、味噌を適量入れる。小ネギを散らせば完成。

これが本当にうまい。高級カニ汁みたいな味がする。無職が飲んでいい味じゃない。

釣りで疲れた身体に最高に染みるのである。ぜひ作ってみてほしい。

刺身と味噌汁。カサゴの脂がヤバイ出てる。

 

……という訳で、そろそろ釣り入門を終わろうと思う。

このブログを読んでいる人は金欠の人が多いような気がするので(失礼)、初期費用が掛かったり、エサ仕掛け代や交通費なども含めて、頻繁に釣りに行くというのは難しいかもしれないが、1年に数回行くぐらいの頻度で人生に組み込むと、それなりに有意義な感じがするものだ。

ボーっと海を眺めていればセロトニンが出るし、魚がヒットすればドーパミンが出る。

特にドーパミン的な快楽が強く、パチンコが好きな人は、釣りにハマったりすること多いらしい。

静からの動! 耐えて耐えてズドン!

そういった感覚が脳内物質をドバドバ誘発するのだろう。

ギャンブルに金をかけるのだったら、釣り具を揃えた方が健全かもしれない。

 

それでは、虚無ニートも、脳汁中毒者も、隠居暇人も、レッツフィッシング!

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