ジョナサンは「特に良いところがない」のがいい

散歩がてら街外れのファミレスに向かった。

ジョナサンである。

ジョナサンというファミレスには特に秀でたところがない。

安くお腹を満たしたかったり、コスパを重視して食事や会話を楽しむのならば、ガストやサイゼリヤの方がいいし、ちょっぴり贅沢で、おいしい食事を求めて店を訪れるのなら、ロイヤルホストやびっくりドンキーに向かうべきだろう。

ジョナサンはなんだか中途半端なのである。

値段が安い訳でもなく、食事が飛び抜けておいしい訳でもない。特に良いところがないのだ。

だけれど、そこがすばらしくもある。

ガストやサイゼリヤは、学生のグループや居酒屋のように利用しているグループによって、やかましい場合が多い。

かといって、ロイヤルホストなどの高級ファミレスに1人でフラッと入るのも、なんだか敷居が高く感じてしまう。

そういう意味で、ジョナサンは非常に”ちょうどいい”ファミレスなのだ。

もしかしたら、そのような需要によって、経営が成立しているのかもしれない。

今日は日曜の午後というのも、よかった。

本を読んだり、PC作業をしたり、静かに会話している人々しかいない。

自分もぽちぽちスマホで本を読んだり、ブログを書いていたのだが、頭を使う行為を充実して行う為には、リラックスだけではダメなのだ。

7%ぐらいの緊張感。別に監視されている訳でもなく、干渉される訳でもないが、同じようなテンションの人々が同じ空間に存在することによって、適切な状態になる。

図書館や自習室ほどピリピリしておらず、自室ほど堕落に誘われる雰囲気もない。

空調が充分に効き、時々ポテトをつまみながらも、一定の静寂が保たれているような、あの空間が好きだ。

今日のハイライトは2つある。

1つ目は、トイレが古臭かったことである。

ボロいとか、掃除がされていないとか、そういうことではなくて、地方旅館の廊下のような”におい”がした。

単にちょっとカビくさいということなのかもしれないが、ノスタルジックな気分に浸りながら用を足したのであった。

2つ目は後ろの女性2人組がよく分からない会話をしていたことだ。

別に声が大きいとか、聞き耳を立てていたとか、そういうことではないが、どうしても断片的に耳に入ってきてしまうワードというものがある。

「体は満たされても、心は満たされないよねー」

文脈は分からないが、なんだかエロいなと思った。

会計1500円弱。ジョナサンはいい。

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